くじらタイム

くじらタイム

文系大学生の雑記ブログ 下らないことを真剣に考えます

現実の王蟲(オーム)?カブトガニの血

 

風の谷のナウシカに出てくる王蟲(オーム)。この蟲は普段は腐海と呼ばれる人間には毒である、障気を放っている場所に生息していますが、怒らすと腐海を飛び出し人間の住みかを遅い腐海に変えます。そんな王蟲ですが、口から出す金色の触手は治癒能力を持っており、劇中にナウシカを治療しました。

実は、現実の世界でも王蟲の様に治療の効果を持っている生き物がいます。それが、カブトガニです。

 

カブトガニとは

カブトガニは約2億年前から姿を変えていない、生きた化石で、姿は扇状の殻に刺のような尻尾を持っています。東南アジアや中国、アメリカ、日本にも生息し、瀬戸内海、九州北部に生息してます。絶滅危惧種に指定されています。

カブトガニの血が医療に使われている

王蟲は青い血を流していましたが、カブトガニも青い血を流しています。これは人間はヘモグロビンに含まれる鉄成分により赤い血が流れますが、カブトガニの場合、銅成分の血が流れているためです。このカブトガニの血のなかに入っているLALという物質が医療に使われています。このLALから作り出した試薬を使うと、製品中のワクチン、食品等に有害な物質が入っているかどうかを調べる事ができます。もし有害な物質が入っていた場合。この試薬が反応して、ゲル状に変化して有害な物質を閉じ込めてしまいます。このように薬や食品の安全性を確かめる役割を担っています。

f:id:wudajaxa:20190105002745p:plain

しかし絶滅の危険あり

人類に大いに貢献している、カブトガニですが、絶滅危惧種に指定されています。しかもこのLAL試薬を取り出すためにカブトガニの30%の血を抜きます。しかしこの際一定数のカブトガニが死に至ってます。そして住みかに戻された後も動きが鈍るなどして、幾つかのカブトガニは死んでしまいます。 

当然、カブトガニを使うことに反対する運動も実際に起こっています。しかし、カブトガニを取り巻く環境は変わりつつあります。代替えの試薬が研究者によって生み出され、生産のための環境を整えつつあります。

 

ナウシカの世界のように生き物を無下に扱うと大きなしっぺ返しが人類に降りかかるかもしれません。